2008年9月15日月曜日

グランド ブルー / ジャズトロニック


続いてクラブジャズのアルバム。ピアニストでもあるDJ野崎良太=Jazztronik、2007年リリースのアルバム。ジャズトロって、昔、もっとゴリゴロの打ち込み系のイメージがあったんですが、時代の流れと共に進化を遂げていました。itunesで視聴して、驚きのあまり気が付いたら購入ボタンを押していました。

ライナーノーツも見てさらにビックリ。プロデューザーとして今井美樹、K、Mondo Grosso, m-flo, TRF, クリスタル・ケイ、ゴスペラーズ, 山崎まさよし、大貫妙子、ソイル…と、いつの間にかジャンルを跨いて多くのミュージシャンを起用してのアルバム。

新進気鋭時の面影を残しつつ、クラブ・ミュージックとして確実に進化を遂げたジャズトロ。そして最後の差後まで、大貫妙子をフィーチャーした"雨音"によって驚かされました。こんな静謐で慈愛に満ちた曲が野崎さんから!? あらゆる意味で、音楽にジャンルの壁は必要ない、と再確認する一枚です。

Grand Blue / Jazztronik
1. Voyage <> feat. Sonomi Tameoka
2. Heat feat.SACHO <>
3. Sanctuary feat. Mika Arisaka
4. Mista Swing <> feat. Monday Michiru
5. Jazztronik Had a Party feat. Robert Gallagher
6. Rising in My Heart feat. Yurai
7. 雨音 feat. Taeko Onuki
8. Under the Moonlight feat. Miki Imai
9. Interlude
10. BRA. Step
11. Soul Hood feat. Masayoshi Yamazaki
12. Lifesyncopation <>
13. WAVE RAVE feat. VERBAL <>
14. Love Tribe
15. Beauty - Flow <> feat. Lorraine Cato
16. Sunshine

2008年9月14日日曜日

スキーマ・ボッサ・スイート01 / 須永辰緒


なぜ、今頃スキーマなのかって…。そうです旧いアルバムです。とても旧いアルバムです。ハウス系のクラブでブラジルが良く掛かってた頃のアルバムです。家の棚に入っていたのを久々に発見して、懐かしさに浸れた一枚。

渋谷のDJ番長こと須永辰緒氏が、イタリアのクラブジャズレーベル、スキーマをフィーチャーしたコンピレーション・アルバム。スキーマやイルマといえば、今では日本でも有名ですが、当時は新鮮で、こんなスタイリッシュなサウンドが世界にはまだまだあるのかと驚いたものです。個々のアーティストの個性、たいしたものです。斬新で洗練、空間音楽として今でも全く色褪せません。

JAZZ好きにもたまりませんが、HipHopが大きくPOPSに流入した2000年代以前にラウンジ的サウンドを愛していた世代にも、充分楽しめる内容です。骨董通りにBlueがあった頃、思い出しましょう。そういえば、1年くらい前、DJ kei kobayashi氏にどこかのオープニング・パーティーでお会いした時に、このスキーマの話が出た気が。次は小林さんのレーベルかな。

Schema Bossa Suite 01 / Sunaga t experience
1. More(Balanc[,]o)
2. Vista do mar(Les Hommes)
3. Grasping(Soulstance)
4. Esquema da bossa(Quintetto X)
5. Lothar(Schema Sextet)
6. Street Jazz Unit(Street Jazz Unit)
7. Six and eight(Le Hommes)
8. Metti una sera a cena(Jazzanova Remix)(Balanc[,]o)
9. G-Bossa(Neos)
10. Bossa per due(Nicola Conte)
11. Mas eu quer ser(Gerardo Frisina)
12. Fantasia(Balanc[,]o)
13. Kickin’ samba(Soulstance)
14. Brasileiro(Quintetto X)
15. Mr.Bond(Quartetto Moderno)
16. Truth,simplicity&love(Soulstance)

2008年2月25日月曜日

パリジャン・ブルー / ミシェル・ルグラン・トリオ


映画音楽の範疇を超えて、このアルバムはJAZZの可能性そのものを追求しています。全体として選曲はルグランの甘ったるい映画音楽の主題をモチーフにしていますが、最後まで聴くと、曲風そのものが変わっていたりして、ルグランの多彩な表現技巧を目の当たりにします。

特に"10"、冒頭は原曲の曲風どおりひたすら悲しい、むせび泣くようなピアノのソロから始まりますが、そのアレンジは曲中でパッセージごとに二転三転、変調やリズムチェンジを繰り返し、ワルツになったりマーチになったり、最後は最後は一小節×2を一つづつ噛み締めるような激しいタンゴ調のまま唐突に終わります。

これはルグラン自身による、自身の曲の可能性を最大限に追求した、もしくは自身の限界に挑戦した、そんなアルバムです。

Parisian BlueMichel Legrand Trio
1. これからの人生
2. おもいでの夏
3. ユー・マスト・ビリーブ・イン・スプリング
4. ワンス・アポン・ア・サマータイム
5. ゴールデン・サン
6. アスク・ユアセルフ・ホワイ
7. ブライアンズ・ソング
8. ヒズ・アイズ・ハー・アイズ
9. アイ・ウォズ・ボーン・イン・ラブ・ウィズ・ユー
10. シェルブールの雨傘
11. アフター・ザ・レイン
12. パリジャン・ブルー
13. アイ・ウィル・セイ・グッパイ

2008年2月19日火曜日

あるドラマーの死

「敗残のドラマー 孤独の死」と、小さく報じられたその死、1972年9月1日の事でした。

白木秀雄、本名は柏倉秀康、1933年東京神田生まれ、「入ることがまず才能」と言われる東京芸大在学中にデビュー、ブルー・コーツなどの黎明期のジャズ・シーンを経て58年には自身のリード・バンドである「白木秀雄クインテット」を結成。

この頃には「ヤクザなドラマー」で有名な石原裕次郎主演『嵐を呼ぶ男』の吹き替えを担当。さらに、65年には権威あるベルリン・ジャズ・フェスティヴァルに日本人として初めて招かれ、日本の祭囃子を、琴を参加させて斬新にJAZZ化。まさ日本のモダンジャズの黄金期を築き、日本中から、そして世界からも新進気鋭の音楽家として将来を嘱望されました。

しかし一方で彼は確実に精神を病んでいました。63年の女優水谷良重との離婚、68年クインテット解散、そして72年、赤坂のアパートの一室で孤独死を遂げます。睡眠薬常用による薬物中毒とか。発見時は死後10日経っており、その死は現在でも大きな謎を残したままです。

そんな彼のクインテットはしかし、多くのJAZZの逸材を輩出します。pianoの菊地雅章、SAXのスリーピー松本英彦、ちなみに教育を受けた彼の甥である松本晃彦は、「踊る大捜査線」の音楽や様々なPOPミュージックを手がけます。そして、中でも晩年のクインテットに参加した大野雄二と、日野皓正は特筆すべきでしょう。

日野は、クインテット解散後、菊池らとともに渡米してアメリカで華を咲かせます。その才能を認められブルー・ノート・レーベルに日本人として初めて雇用された実力。現在でも堂々たる世界のトップ・プレーヤーの一人。

そして日本に残って大衆文化としてのJAZZを発信し続けたのは大野。数々のCMソング、『犬神家』や『野生の証明』などの映画音楽、そして何よりも著名な『ルパン3世』の作曲演奏。

アメリカで、マイルスやコルトレーンが多くのJAZZMENを輩出してきたのと同じ、白木秀雄という圧倒的な才能の前で、数々のミュージシャンが多くを学び、そして巣立っていきました。日野の"黒いオルフェ"に、大野の"ルパン・ザ・サード "に、白木秀雄の"サヨナラ・ブルース"がしっかりと沁み込んでいます。

ファンキーでクールだけどしっかりと流麗、そしてどこか物哀しげ、彼は更けゆく夜の赤坂で何を思っていたのでしょうか。自身の名曲"赤坂の夜は更けて"、奇しくも死地を取り上げることになるこの曲の演奏時間はものの1分半。才能に走り、才能に溺れた彼の生涯そのものような気がします。現代の我々が言える事は「実に惜しかった」の一言。だけど、その才能はかつてのクインテットのメンバーにより綿々と、そして確実に受け継がれています。

そう、『ルパン3世』にだってちゃんと継承され、どれだけ多くの子供達をJAZZへと引き込んだことでしょう。と言ったら、果たして言いすぎでしょうか。

2008年2月17日日曜日

フリップ・ホップ / 瘋癲



れっきとした正統派Hip-Hopであると同時に、歌詞先行型である他の日本のHip-Hopとは何かが違います。まず、メロウでグルーヴィー、ちゃんと歌詞やリズムを盲追する前に、音楽であることを大事にしています。デビュー以来その斬新さとちゃんと音楽を聴かせる、そのスタイルを守り続けた彼ら、メンバーの夭折という悲劇を乗り越えた、情感溢れる2nd albumです。

そう、彼らにはまさに一聴惚れ、でした。今は絶版になっていますがBlueNoteの企画コンピレーション"NEW JAZZ STYLE"に"Poor Butterfly"で参加。JAZZをアレンジした今まで聴いたことない斬新なサウンドに息を呑んだものです。このカッコ良さ、オトナ向きです。

FLIP HOPFU-TEN
1. Rebirth
2. Radio flip flop(Interlude)
3. XXX
4. come get out
5. why!?
6. YEAH OH EI!!(UH-SA!)
7. good friends(feat.no-boo for tick)
8. Radio flip flop(Interlude)
9. M.V.R.(feat.Mr O.K.I.,TYPE Lo)
10. Radio flip flop(Interlude)
11. Suger Kut(z)(feat.DJ SHARK)
12. Radio flip flop(Interlude)
13. In The Bubbles
14. Caliente(feat.ERI KAMIYA)
15. Splash(interlude)
16. 20000miles
17. 我等は彼等へ

2008年2月14日木曜日

オールウェイズ・セイ・グッバイ / チャーリー・ヘイデン



ひたすら甘ったるいか、ひたすらハードボイルドな哀愁です。イメージはジャケットの通り、さすが西海岸ジャズ。そのテイストはまさにバーボンとHERSHEYのチョコレート。やってくれます。何と言っても視聴で聴くなら"8"からどうぞ。低く唸るテナー・サックス、ひたすらスウィンギーなドラム、そして、ゴリゴリ音を立てて刻まれるベース。ピアノの散文詩がさらなる哀愁を誘います。あぁ…このセブンス(属7和音)…。決して綺麗な表現ではありませんが、のぼせて鼻血が出そうです(笑)

ベース奏者ヘイデンがリードしたQuartet Westの傑作。このアルバムの面白いところはQuartet自体の演奏の前後に、ミキシングでその曲のオリジナル音源をくっ付ける演出が為されていること。オリジナルはいずれも50年代の演奏が多く、この演出も、ハードボイルドな王道JAZZの質感を、より高めてくれます。

お気に召したら是非ipodにこの曲を詰めて、トレンチコートに葉巻でも咥えて街を歩いてください。靴はもちろん派手に音が鳴る木底の革靴、手には黒のコウモリ傘でしょ。子供騙し?? いや、音楽なんて意外とこういう単純な直感に支えられてるんですよきっと。

しかしこういうコテコテのテナー、久々に聴いたな…。

Always Say GoodbyeCharlie Haden
1. Introduction
2. Always Say Goodbye
3. Nice Eyes
4. Relaxin' at Camarillo
5. Sunset Afternoon
6. My Love and I [Love Song from Adache]
7. Alone Together
8. Our Spanish Love Song
9. Background Music
10. Ou Es-Tu, Mon Amour? (Where Are You, My Love?)
11. Avenue of Stars
12. Low Key Lightly [Variation on the Theme of Hero to Zero]
13. Celia
14. Everything Happens to Me
15. Ending

2008年2月12日火曜日

グライムソープ / グライムソープ・コリアリー・バンド



由緒正しき英国式ブラス・バンドと寂びれゆく炭鉱町を題材にした英国映画『ブラス!』 で有名になったグライムソープ・コリアリー・バンドの代表作。ブラス・バンドは、何と言ってもブリティッシュです。まず、緻密で繊細、決して伝統を崩さない、でも反面、庶民的な情緒と楽しさに溢れてもいます。それに何と言うか、この作られた感から程遠い一種の「泥臭さ」、「手作り感」、「素朴さ」、いいんです。

英国では上流階級は室内弦楽、軍隊はバグパイプ、そして庶民の伝統的なレクリエーションが、このブリティッシュ・ブラス・バンド、という訳なんです。実に2,000もの市民バンドがブリテン島にはあるそうで。一つの街に、一つのバンドです。

いやしかしこのアルバムは、ハッキリ言ってマニア向けなんですけどね。"2"、アランフェス序曲ですか、この流麗なコルネット、"8"のベニスの謝肉祭の超絶ユーフォニウム、まぁ吹奏楽経験者なら、理解して、そして好きになってくれるはずです。音楽って趣味なんですよね。プレイヤーもリスナーも楽しくならなきゃ。

これを聴くときは、甘ったるいブランデーより、ピート(泥炭)の香るスコッチです。人と土の味がする、そんな音楽です。

GrimethorpeGrimethorpe Colliery Band
1. March
2. Adagio
3. Purcell Variations
4. From The Shores Of The Mighty Pacific
5. Overture To 'Abu Hassan'
6. The Lark In The Clear Air
7. March
8. Carnival Cocktail
9. Riverdance
10. It's Alright
11. March
12. Isaiah 40