2007年12月28日金曜日

ゴールデン・イヤリング / レイ・ブライアント



レイ・ブライアント、さすがテディ・ウィルソンの再来といわれる器用さと柔軟さを持つピアノプレイヤーだけあります。1988年録音の本作は、陽気なジャケットには似つかわしくなく、ひたすら慈愛と郷愁にあふれた一枚です。

"1"の「ゴールデン・イヤリング」、未だかつてここまで完成された、大人びたサウンドがあったでしょうか。物憂げな導入はトリオではなく彼のアドリブによるピアノソロから始まります。そして一旦一つの曲としての終焉をみ、一間あって再び今度はダイナミックなトリオによる序盤が始まります。小さな死と再生…この静けさ、この優しさ、器用であるが故に自身のスタイルをずっと模索してきた彼の、晩年になってようやく出された回答が、このサウンドです。

このアルバムはPolydor から1988年に出版されましたが、CDもLPも殆どマーケットに残っていません。まず、新盤は発売されていません。そうです、確かにいわゆるJAZZの王道からは外れています。でも、個人的には彼のアルバムの中で最も完成度の高い出来栄えだと思います。通好みの値が高い中古製品ですが、確実に買う価値はあります。

あぁこのコード、どうしてこんなに哀しく響くんだろう…。

Golden EarringsRay Bryant
1. Golden Earrings
2. I'm a Fool to Want You
3. 'Round Midnight
4. I Remember Clifford
5. Speak Low
6. Misty
7. What Am I Here For?
8. Lullaby

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