2008年1月18日金曜日

ザ・ラフ・ダンサー・アンド・ザ・シクリカル・ナイト / アストル・ピアソラ



うー…、この美しさ、普通じゃない。むせぶような灼熱の熱情、熱情とはすなわち、何かを忘れることに他なりません。そう、人間のなんとも形容しがたい忘れるという罪悪、生きていれば、また繰り返すのであり…。そう、そんなことを滔々と、でもどこか優しげに語られているような気がします。

「タンゴ・セロ・アワー」「ラ・カモーラ」というピアソラ最高の両作に挟まれてリリースされたこのアルバム、賛否両論あります。確かに、評論家達が言うように少々優等生感は否めない、いつもの様な「逸脱」があるわけではないんです。でもこのアルバム、僕は特筆に価すると思いますね。そうなんです、両作のピアソラにはない、ちょっとした優しさ、感じませんか。女性的な音を出すアルトサックスのせいでしょうか? いや、この優しさはピアソラ自身です。常に逸脱し、否定し、人間のありのままを生涯描き続けたピアソラの、これが実は、ほんの少しだけ見せた自身の素描のような気がします。あくまで気がするだけですが…。

The Rough Dancer and the Cyclical NightAstor Piazzolla
1. Prologue (Tango Apasionado)
2. Milonga for Three
3. Street Tango
4. Milonga Picaresque
5. Knife Fight
6. Leonora's Song
7. Prelude to the Cyclical Night, Pt. 1
8. Butcher's Death
9. Leijia' Game
10. Milonga for Three (Reprise)
11. Bailongo
12. Leonora's Love Theme
13. Finale (Tango Apasionado)
14. Prelude to the Cyclical Night, Pt. 2

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