2008年2月9日土曜日

スウェーデンへ愛を込めて / アート・ファーマー



スウェーデンの哀切極まる民謡を、フリューゲル・ホルンの権威であるアート・ファーマーが、そしてジャズ・ギターの名手ジム・ホールが、独特の解釈でジャズ化した一枚。

「甘美な暗さ」とでも言うのでしょうか、この異端の金管楽器が持つ独特の雰囲気がここまで似合う楽曲もそうありません。暖炉の効いた暖かい部屋で、窓の外はしんしんと降り積もる雪、そしてオーク材のロッキングチェアに座って二度と帰らぬ誰かをじっと待つような、そんな雰囲気です。何度も聴いているうちにじわり、じわり、とこのアルバムの持つ、底知れない深みが身に沁みてくるのです。

中でもとびきり静謐な"5"を聴いてください。あぁ、ファーマーのフリューゲル、底知れぬこの音の厚み、これこそ僕がどんなに練習しても手に入れられなかった奇跡のマルカートです。この厚みを持つ音の一つ一つが、はち切れんばかりの悲哀を孕んで聴く者の心をゆっくりと、でも確実に揺さぶるんです。あぁ、この奇跡の音…。

To Sweden with LoveArt Farmer/Jim Hall
1. Va da du? [Was It You?]
2. De Salde Sina Hemman [They Sold Their Homestead]
3. Den Motstravige Brudgummen [The Reluctant Groom]
4. Och Hor du Unga Dora [And Listen Young Dora]
5. Kristallen Den Fina [The Fine Crystal]
6. Visa Vid Midsommartid [Midsummer Song]

0 件のコメント: